知らぬ間に骨が溶ける?喫煙者のお口リスク

こんにちは。浜中矯正歯科クリニックです。

年末年始の準備でバタバタと忙しいこの季節。その中でも、恐らく皆さんも行う大掃除ですが、もともとは12月13日になると行われていた「すす払い」という行事が由来となっており、「正月事始め」の一環として新年を迎えるための習慣だったそうです。そんな年に一度の大掃除ですが、実際には日頃からこまめに掃除をしていれば、手間も時間も少なく済みます。そしてそれは、歯のお掃除も同じこと。

実は、普段からお口の中をきれいな状態にできていないと、お口の中の細菌がどんどん増え『歯周病』や『むし歯』のリスクが確実に高まります。特にタバコを吸う方は、『歯周病』に対して十分な注意が必要です。そこで今回は、タバコとお口の関係についてお話したいと思います。

気づいたときにはもう手遅れ

歯周病を「ただ歯ぐきが腫れるだけの病気」と考えている方がいらっしゃいますが、それは大きな間違いです。歯周病は歯と歯ぐきの間に歯周病菌が入り込み、腫れや出血を伴いながら、やがては歯を支える骨を溶かしてしまう恐ろしい病気です。骨が溶けてしまうと、当然それに支えられていた歯は抜けてしまいます。

実は、歯が抜けてしまう原因のNo.1は、「むし歯」ではなく「歯周病」なのです。歯周病で歯を失う原因としては「自覚症状の少なさ」が挙げられます。唯一とも言える自覚症状は「歯ぐきの出血」。もし、出血がいつまでも続いているようだと、歯を支えている骨が溶け始めている可能性が高いので、今すぐにでも歯科に相談してください。

ところが、そんな唯一の自覚症状とも言える「出血」すら気づかなくさせるのが「タバコ」です。タバコに含まれる有害物質は、歯ぐきの血流悪化を引き起こし、出血しにくくなるため歯周病に気づきにくくなってしまうのです。それだけではありません。血流が悪いということは、細菌と戦う力が衰えることを意味しますので、歯周病菌がどんどん増えていきます。「ようやく気づいたころには、もう骨がすっかり溶けてしまっている」喫煙者にはこうしたリスクがあることを、しっかり覚えておいてください。

全身疾患につながる可能性も…

このように、タバコは歯周病を悪化させますが、歯周病の悪影響は口腔内だけではありません。
歯ぐきから侵入した細菌が血管に入り、全身にまわることで、

  • 心臓疾患
  • 脳血管疾患
  • 認知症
  • 糖尿病
  • がん
  • 早産
  • 低体重児など、

様々な病気に関わっていることが知られています。
このように、タバコは肺がんや歯周病だけでなく、全身疾患を悪化させる引き金になり得るのです。

禁煙は歯の治療に大切なこと

「自分はもう歯周病になってしまったから関係ない!」と思われた方も、まだ遅くありません!ある程度進行した歯周病にも禁煙は有効なので、ぜひチャレンジしてみましょう。禁煙をすると歯ぐきの状態が回復して、歯周病のリスクが下がります。さらに、歯周病を予防することが全身疾患の予防になり、ひいては健康な人生をおくることにもつながっていきます。

また、喫煙をしている方は、自覚症状が少ないため、必ず定期的に歯科で検診を受けてください。検診では歯周病のチェックのほか、歯周病菌のすみかとなっている歯石を取り除いたり、歯にこびりついたヤニを取り除いたりすることもできます。

疾患の早期発見・予防・見た目の改善など、様々なメリットがありますので、ぜひ定期的なご来院をお待ちしております。

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